塾長の原田です
2025年度の千葉県公立高校入試が終わり、生徒からの感想や、教材会社さんの分析、他塾の塾長さんの分析などさまざまな声が聞こえてきました。
その中で、今年少し話題になっているのがリスニング問題の読み上げ回数です。
千葉県の英語リスニングは、例年、大問が4つ出題され、それぞれの英文は2回ずつ読み上げられる形式になっています。
ところが今年は、大問1の英文が1回しか読み上げられなかったということでした。
受験生にとっては、「聞き逃したらもう一度聞ける」という前提があるかどうかで、問題の難しさや緊張感は大きく変わってきますよね。突然の1回読みは、驚いた受験生も多かったのではないでしょうか。
実際エソーの塾生からも

2回と思っていたのに1回になったので少し焦りました
という声が聞かれました。
実は、大学入試の共通テストでは、リスニング問題の中に「1回読み」が含まれる形式がすでに採用されています。
今回の千葉県の出題も、こうした流れと無関係ではないのかもしれません。
今回は、今年の千葉県公立高校入試の英語リスニングで起きたこの変化について、そして今後の受験対策としてどのように考えておくべきかを解説していきます。
この記事を読むべき人
・千葉県で公立高校を志望する中学生やその保護者
・英語のリスニングの対策について知りたい方
にとってピッタリな内容となっています。
自己紹介
エソー個伸塾(こしんじゅく)塾長 原田健司
千葉県で社会人プロの個別指導塾「エソー個伸塾」を5教室運営。エソー個伸塾は約50名の社会人プロの先生が丁寧に個別指導をしています。講師の平均指導歴は10年以上。指導力には自信があります。一般的な個別指導塾にはない一味違う指導で多くの受験指導を行っています。
千葉県公立高校入試のリスニングの基本形式
まず、千葉県公立高校入試の英語リスニングがどのような構成になっているのかを整理します。
2026年度の千葉県公立高校入試では、英語のリスニングは大問4つで構成されており、問題数は昨年と変わっていません。
配点は31点で、英語全体の中でも決して小さくない割合を占めています。リスニングが得意かどうかによって、英語の得点は大きく変わる可能性があります。
それぞれの大問の内容は次の通りです。
このように千葉県の英語リスニングは、短い会話からまとまった文章まで、段階的に理解力を問う構成になっています。
そして例年は、これらの英文はそれぞれ2回ずつ読み上げられる形式になっています。
しかし今年は、大問1番が1回のみ読み上げられる『1回読み』でした。
リスニングにおける読み上げ回数とは?
英語のリスニング問題では、「英文が何回読み上げられるか」という点は、実はとても重要なポイントです。
一般的に、日本の入試ではリスニングの英文は2回読み上げられる形式が多く採用されています。千葉県公立高校入試でも、これまでは各大問の英文が2回ずつ読み上げられる形式が基本でした。
2回読み上げがある場合、受験生は1回目で大まかな内容をつかみ、2回目で聞き取れなかった部分を確認することができます。多少聞き逃してしまっても、もう一度チャンスがあるため、落ち着いて問題に取り組みやすい形式と言えるでしょう。
実際エソー個伸塾でも、2回読みの場合はその特性を活かして聞き取りをする方法も伝えています。
一方で、1回読みの場合は状況が大きく変わります。聞き逃してしまうと、もう一度同じ内容を確認することができません。そのため、最初の読み上げの段階から高い集中力で聞き取る必要があります。
また、1回読みでは「聞いた内容をその場で理解し、素早く判断する力」も求められます。2回読みのように後から確認する余裕がないため、聞き取った情報を頭の中で整理しながら問題を解く力が必要になるのです。
このように、読み上げ回数が2回か1回かという違いは、問題の形式そのもの以上に、受験生に求められる力に影響する要素です。リスニングは同じ問題であっても、読み上げ回数が変わるだけで体感する難易度が大きく変わることがあります。
そのため、今年の千葉県公立高校入試で「1回読み」があったという点は、受験生にとって少し気になる変化と言えるかもしれません。
共通テストでも『1回読み』がある
実は、リスニングの英文が「1回しか読まれない」という形式は、大学入試の共通テストでも採用されています。。
大学入試の共通テストでも、リスニング問題の中には1回のみ読み上げられる問題が含まれています。
すべての問題が1回読みというわけではありませんが、1度しか流れない問題も含まれるため、受験生はその場で内容を聞き取り、理解する必要があります。
この形式の特徴は、「聞き直しができない」という点です。2回読みであれば、上記でも記載したように、1回目で全体の流れをつかみ、2回目で細かい部分を確認することができます。しかし1回読みでは、そのような余裕はありません。最初から集中して聞き取り、聞いた内容をその場で整理する力が求められます。
こうした出題形式は、単に英語を聞き取れるかどうかだけではなく、実際のコミュニケーションに近い形で英語を理解できるかという力を測る意図もあると言われています。現実の会話では、毎回同じことを2回言うなんてことは行われないですよね。
今回の千葉県公立高校入試で大問1が1回読みになった理由が公式に発表されているわけではありませんが、大学入試の共通テストでも1回読みが採用されていることを考えると、こうした形式が今後少しずつ広がっていく可能性も考えられます。
その意味では、中学生の段階から『1回で聞き取ろう』と意識をしてリスニング練習をしておくことは、将来の大学入試を見据えても無駄にはならないと言えるでしょう。
1回読みへの対応策
もしリスニング問題が「1回読み」になった場合、受験生はどのように対応すればよいのでしょうか。
【1回読みの聞き取りのポイント】
『聞く前の準備』『聞いている時』『聞いた後』の3つの段階を意識する。
まず大切なのは、音声が流れる前の準備です。リスニング問題では、多くの場合、音声が流れる前に問題文や選択肢を読む時間があります。この時間に、どのような内容が問われているのかを確認しておくことが重要です。
例えば「誰が何をするのか」「どんな返答を求めているのか」といったポイントを先に意識しておくことで、聞くべき情報がはっきりします。
次に、聞いている時の注意点です。1回読みでは、細かい単語をすべて聞き取ろうとすると、かえって大事な部分を聞き逃してしまうことがあります。そのため、すべてを完璧に理解しようとするよりも、会話の流れや重要な情報をつかむことを意識する方が効果的です。特に、疑問文や相手の最後の発言など、問題の答えにつながりやすい部分には集中して耳を傾けたいところです。
そして、聞き終わった後の判断も大切です。聞き取った内容を思い出しながら、選択肢の中で最も自然な答えを選びます。1回しか聞けないと「聞き間違えたかもしれない」と不安になることもありますが、迷いすぎて時間を使いすぎるのもよくありません。自分が聞き取った情報をもとに、落ち着いて判断することが大切です。
日頃の勉強では、同じ音源を何回も聞くことが大切ですが、問題演習として行う場合、「2回聞ける前提」で練習するだけではなく、1回で内容をつかむ練習を取り入れてみるとよいでしょう。英語の音声教材やリスニング問題を使うときも、あえて1回だけ聞いて内容を確認する練習をすることで、集中して聞き取る力が少しずつ身についていきます。
リスニングは、単語や文法の知識だけでなく、「英語を聞いて理解する経験」を重ねることで伸びていく力です。普段から英語の音声に触れる機会を増やしておくことが、結果的に入試本番での安心感にもつながります。
余談ですが、英語の長文が伸び悩んだ時、リスニングを学習することで長文の力が向上するケースもあります。
受験生へのアドバイス
今回のようにリスニングの形式に少し変化があったとしても、受験生がやるべきことの本質は大きく変わりません。
大切なのは、英語を聞いて内容を理解する力を日頃から少しずつ積み重ねていくことです。
特に大問1のような短い対話文の問題では、難しい単語が多く使われるわけではありません。重要なのは、会話の流れを自然に理解し、「この場合ならどの返答が自然か」を判断する力です。
教科書レベルの基本的な英語表現に慣れておくことが、結果的にリスニングの得点にもつながります。
また、リスニングでは、『問題文や選択肢を先に読んでおく』の習慣をつけておくことも有効です。何を聞き取ればよいのかを意識してから音声を聞くことで、必要な情報をつかみやすくなります。これは2回読みでも1回読みでも共通して役立つテクニックです。
また、英語のリスニングは1回で集中して長時間勉強するよりも、1回の学習時間は短くても良いので、何度も行うほうが良いと思っています。音声を聞く機会を普段から作っておくことで、自然と耳が慣れていきます。教科書の音読音声や英語のリスニング教材などを活用し、英語を聞く習慣を少しずつ作っていきましょう。
入試問題は毎年まったく同じ形式とは限りません。今回のように細かな変化があることもあります。しかし、基本的な英語力をしっかり身につけていれば、多少の形式の違いに振り回されることはありません。
目の前の入試だけでなく、その先の高校生活や大学入試も見据えながら、「英語を聞いて理解する力」を日々の学習の中で育てていってほしいと思います。
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