公立高校入試 令和8年度以降(令和7年度実施)の改善点について解説

塾長の原田です。

千葉県教育委員会が令和8年度以降(令和7年度実施)の公立高校の入試における改善を発表しました。

今日は、その内容について書いてみたいと思います。

この記事を読むべき人

千葉県の公立高校を目指す生徒と保護者
千葉県の公立高校の入試情報を知りたい方

自己紹介

エソー個伸塾(エソーこしんじゅく) 塾長 原田健司
千葉県で社会人プロの個別指導塾エソー個伸塾幕張本郷教室・新検見川教室・東船橋教室・京成津田沼教室の4店舗展開。エソー個伸塾は約40名の社会人プロ講師が在籍しており、それぞれの講師が千葉県の受験指導について豊富な経験を持っています。講師の平均指導歴は10年以上。指導力の高さと千葉県の合格実績には自信があります。

では、早速見ていきましょう!

今回の改善点は大きく分けて2点あります。

1.調査書の記載項目の変更

1つ目は調査書の記載項目の変更です。

調査書とは、高校受験の際、中学から受験する高校に対して、生徒の中学校での学習や生活の記録をまとめた書類のことです。

この調査書の記載項目が令和8年度から変わるという内容になっています。

千葉県教育委員会が実際に出している文章の該当する部分を見てみましょう。

1 調査書の記載項目の精選(令和8年度入学者選抜から)
配慮の必要な生徒の心理的負担等とならないよう、調査書の記載項目を精選します。削除する項目は、以下の4つとなります。
・総合的な学習の時間の記録
・出欠の記録
・行動の記録(第3学年)
・総合所見
 なお、令和7年度入学者選抜においても、不登校経験を有する生徒について、在籍する学校における出席の状況のみをもって不利益な取扱いをしないこととしています。また、欠席が多い理由について説明するために、自己申告書を提出することができます。自己申告書が提出されたことによって不利益な取扱いをすることはありません。

※千葉県HPから引用
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/press/2024/koukou/r8kaizenten.html

まずは現在の調査書の書式を見てみましょう。実際の調査書の書式はこちらです。

これらの中から「総合的な学習の時間の記録【図の②】」、「出欠の記録【図の③】」、「行動の記録(第3学年)【図の④】」、「総合所見【図の⑥】」の項目が削除されます。

不登校経験がある生徒に対する配慮

今回の項目の削除に関しての目的は、「不登校の経験がある生徒」に対応した制度の改善という点です。
現在の学校現場では、不登校の生徒が非常に増えており、そういった不登校の経験がある生徒でも不利にならないよう対応するために調査書の項目を改定しようという内容になっています。

それぞれの項目を見ていきましょう。

総合的な学習の記録

総合的な学習の記録の項目が削除となります。上記の画像の②ですね。

こちらの項目は職業体験や地域の調査活動などに関する記録が記載されます。この項目が削除されることになりました。

出欠の記録

こちらは、現在の調査書のフォーマットでは欠席の日数を書く欄があり、その横に欠席の主な理由を記載する欄があります。

欠席の日数に関する扱いに関しては、現行の制度では高校によって扱いが異なり、『欠席日数が各学年10以上ある』『3年間で30日以上ある』場合などに関して、入試で合格基準を満たしていても『審議の対象』となることがあります。

現在の調査書に関して詳しく書いた記事はこちら
【最新版】千葉県の高校入試は内申点が大切!その理由と計算方法を解説

この項目の扱いは高校によって異なりますが、不登校の経験がある生徒にとって受験する大きなハードルになっていました。

今回の調査書の記載項目の変更によって、この欄が削除され、高校側では欠席の日数が把握が出来なくなり心理的なハードルもなく受験を検討することが出来るようになると思われます。

行動の記録(第3学年)

現在の千葉県の『行動の記録』については2段階の評価になり、3年生の行動が書かれるようになっています。通常この項目において特に入試の合格・不合格についての得点に影響しませんが、扱いは高校ごとに異なり、評価基準にしない高校や、『〇の数が0個の場合』『〇の数が2個以下の場合』など、〇の数が少なすぎる場合に関して、「審議の対象」とする高校などがあります。

その項目も削除がされることになりました。

総合所見

ここは、現状では、中学校生活について、中学校の先生の言葉で評価を書く欄です。基本的には良いことを書いてもらえると思いますので、この項目の削除に関しては中学校側の負担の軽減といったところでしょうか。

以上が調査書の記載項目の変更です。

続いて、2つ目の学力検査について見ていきましょう。

まとめ

今回の不登校経験がある生徒が受験をする際に不利にならないように様式自体を変更することになりました。
私も今まで塾で、多くの不登校経験がある保護者から相談を受けてきました。
現在の状況では、高校によって欠席の日数に関する扱いや考え方が大きく異なるというのが現状です。
実際に不登校経験者でも公立高校に合格する生徒はたくさんいます。
不登校経験がある生徒が公立高校を受験する場合には、私立高校での合格きっちりと確保した上で受験をしたり、個別の進路相談を出来る学校であれば、個別に今の状況を説明して高校の採用担当の方に話を聞いたうえで受験を検討するなど、心理的なハードルが高かったことは事実です。

今回の変更で不登校経験者がより受験校を選択しやすくなることは間違いないと思います。

私立高校への影響

今回の内容は、公立高校の調査書の書式変更です。私立高校に関しては各高校が独自のフォーマットを定めています。
そのため、私立高校については今回の改善は該当しません。
しかしながら、今回の変更を受けて私立高校についても、欠席に関する扱いは大きく変わってくると思います。
それぞれの高校が自校の出欠に関する考え方をよりはっきりと公表し、選択がしやすくなることを願っています。

2.国語の『聞き取りテスト』が廃止される

次の項目は実際の入試問題の変更です。

こちらも実際に千葉県教育委員会が出している文章の該当する部分を見てみましょう。

2 学力検査「国語」における「放送による聞き取り検査」の見直し(令和9年度入学者選抜から)
本県の令和6年度入学者選抜では、「話すこと・聞くこと」の領域に関して、「放送による聞き取り検査」のみで出題していました。
 「放送による聞き取り検査」に代わり、話し合いの場面等を設定した文章による出題とすることで、「話すこと・聞くこと」の領域に関する資質・能力を複数の問題から、見取ることができるようにします。

※千葉県HPから引用
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/press/2024/koukou/r8kaizenten.html

現行の入試では、国語は『聞き取りテスト』があります。
放送を聞いてその内容に関する問題に答えるという内容になっており、受験生のとって問題形式に慣れたり、メモを取る練習をする必要があるなど、事前に対策する必要のある問題となっていました。

それを令和9年度入学者選抜から『話し合いの場面等を設定した文章による出題』に変更されると発表されました。

変更は令和9年度入学者から

この変更については、令和9年度入学者から対象となっており、来年度の入試からではないので現在の中学3年生に関しては現行の聞き取りテストが実施されますので、注意をしましょう。

入試の制度や問題形式が変わる際の注意事項

入試問題の形式が変更になる場合、注意すべきことは『過去問がない』ということです。
毎年受験生は、入試対策として例えば公立高校を受験する生徒であれば、その県の公立高校の過去問を数年分解くことで、問題の傾向を掴み、その対策を行います。

入試の制度が変わったり、問題形式が変わる場合、過去問がない状態で受験当日を迎えなければなりません。

そのため、『どんな問題が出るのだろうか』と心理的に不安な状態で当日を迎えることになります。

どんな問題が出るのか全く分からない状態で本番当日を迎えるのは不安ですよね?

そこで、取れる対策として、『Vもぎ・Sもぎなどの模試を多めに受ける』ということを私はお勧めします。

模試を作成する会社は、入試問題を予想をして模試の問題を作成します。
必ず当たるとは言い切れませんが、模試会社は様々なケースを予想をして複数回にわたって様々なパターンの予想問題を出します。
そういった予想問題を解くことで、様々な問題パターンに慣れることが出来ます。

しっかりと多くの問題にあたることで落ち着いて本番に臨めるように準備をしておきましょう。

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千葉県の公立高校入試では内申点が非常に重要です。そのため、授業や保護者面などを通じて内申点の重要性をお伝えしています。また、普段の授業で学校の教科書にぴったり合ったテキストを使って定期テスト対策を中心に授業を行うこともできます。自分の目標点数にあった授業を行っています。

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この記事を書いた人

原田 健司のアバター 原田 健司 株式会社ESOH group 代表取締役

兵庫県生まれ。白陵高校卒業。青山学院大学卒業。卒業後、大手企業の営業に従事。その後、学習塾の立ち上げに参加。そして、2011年にESOH個伸塾を創業。現在千葉県千葉市、習志野市、船橋市に4店舗の個別指導教室と津田沼でスポーツ教室を運営。